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2015-02-07 16:28    ルイヴィトン財布ランキング
 それは唐の『宣室志《せんしつし》』という書物にある「消麺虫《しようめんちゆう》」という話だった。  昔、呉郡《ごぐん》の陸《りく》|※[#「禺+頁」]《ぎよう》という人は麺が好物だったが、どういうわけか食べても食べても身体《からだ》が痩《や》せる。じつはこの人の腹の中には、長さ二センチばかり、色青く、かたち蛙《かえる》に似た〈消麺虫〉という虫が棲《す》んでいて、これが麺を食べていたというのだ。 〈消ナマコ虫〉はないものか知らん、とでふ氏は歎息《たんそく》して腹を撫《な》でた。  結局、海参の大半は箸《はし》をつけられずに残された。責任者は残り物を折に詰めてもらって、持ち帰る。これから二、三日、でふ氏の家では三食海参づくしだ。  宴客は店の主人の料理をほめてゾロゾロと帰り去った。  楊氏は客を送り出すと、ピータンの瓶《かめ》の前に立って、歎息する。  一席の宴会を無事に終えた安堵《あんど》のため息であろうか。否《いな》、かれの顔には失望があらわれていた。せっかく手間ひまかけてこしらえた海参料理の人気が、はかばかしくなかったからだ。それに楊氏は、今日の宴会のために干海参《いりこ》を特別のルートで仕入れた。ちょっとやそっとの量では卸してくれないから、山のように買い込んである。それを、これからどうやってさばいたものか——  楊氏の店は時々食通が宴会をしにくるが、ふだんはラーメンや餃子《ぎようざ》のお客ばかりなのだ。  こちらも消ナマコ虫が欲しいところだ。  しばし熟考の末、「本日のサービス品」の緑板に、〈ナマコとうずら玉子煮込み——六百円〉と白墨で書き加えているところへ、入ってきたのは左近とどぶ六。     二 「いらっしゃい、何にします」  二人の坐《すわ》ったテーブルへ、楊氏は品書きを持ってくる。  左近は〈当店のおすすめ〉と書いてある腸詰と花枝丸《いかだんご》をとりあえず注文した。それから、「こういうものをいただいたんだが」と言って、乙姫《おとひめ》さまの竹葉券を見せる。  楊氏は調理場の方をふりかえって、洗い物をしているおかみさんに声をかけた。 「はっちゃん、竹葉酒、まだ冷蔵庫にあったっけ」